みすみの花が開くとき

紅葉は静かに口を開いた。


「閑。

こいつは…陰矢光如は、自分の罪を認めたの。

そして、それを悔いた」

「だから、何よ!」

「閑。

陰矢光如は、自分の罪を忘れないと言ったでしょう?」

「だから、許されるって言うの?こいつが!」

「罪を背負って生きるのは苦しいものよ」

「で、でも!だとしても!こいつは傷付いてない!」


光如は口を開いた。


「じゃあ、君が傷付けてくれ」

「どういう意味よ!」


閑の声は、半ば枯れかかっていた。


「そのままの意味さ。君の気が済むまで、俺を傷付けてくれ」