みすみの花が開くとき

机を叩いたのは閑だった。

弾ける様な音。

それは、閑が光如を叩いた音。





光如は何もなかったかの様にカップを口に運んだ。


「気は済んだかい?」


閑の呼吸は荒かった。


「ふざけるな!」


その可憐な容姿からは想像もつかない怒号。


「お前が許された!そんなの、認めない!」

「閑…」


紅葉は絶句した。

閑を昔から知る彼女にさえも、この状況は意外らしい。


…他にお客さんが居なくてよかったな。

いや、そんな場合じゃないか。