みすみの花が開くとき

「いらっしゃいませ」





現れたのは光如だった。





紅葉が立ち上がる。

閑はただ、呆然としていた。


「ここで会ったが!」


紅葉が振りかぶる。

光如は動かない。





紅葉の手を掴む。





「放して下さい!」


紅葉は暴れた。


「駄目だ!」

「何でですか!コイツは!」

「矢追光如、でしょ?」

「知ってるなら、何で!」

「何にもならないからだよ。それに、彼にここを教えたのは、雪だよ」


紅葉の動きが止まる。


「雪さんが…」


光如は閑の隣に座った。