みすみの花が開くとき

近衛誠は言葉が出なかった。


ここはLievre。


目の前に差し出された封筒を見る。


「玉兎さん、これは…」

「君のお給料だよ」


玉兎はけろりとしている。


「頂けませんよ!」


だって僕、紅茶の入れ方教わって、ちょっと接客手伝っただけなのに…。


「雪ちゃんへのプレゼントでも買ってあげたらいいよ」


ぐ。

そういえば、雪には何も、そういうのあげてなかったな。

でも、これを受け取るワケには…。





扉が開く。





玉兎は封筒を押し付けてそちらに向かってしまった。