みすみの花が開くとき

「うん…。

あの時、俺は勝手な感情と焦りで、雪ちゃんを傷付けた。

チャラになるとは思ってないけど、謝らせてほしい…」


光如は頭を下げた。


そんな…、勝手な…!


「こーすけくん…。いいの、もう」

「雪!」

「誠…。話させて…」


押し黙る。


雪…!


「…こーすけくん、あたしね、…彼氏ができたんだ」


光如は目を丸くした。


「…その彼氏はね、聡兄ぃに似てるんだ」


光如の視線が向く。


「でもね、その人は、聡兄ぃより不器用で、聡兄ぃより優しくて、…聡兄ぃより、かっこいいんだ…」


光如は優しく、切なげに微笑んだ。