みすみの花が開くとき

義成は紙をたたんで、ポケットに入れた。


「おいおい、賭けろよ!」


少年はむくれている。

義成は静かに立ち上がった。

教師が気付く。

右手に机、左手に椅子を持ち上げる。

教室中が義成に注目した。





頭から言葉が吹き飛ぶ。





そこで、義成の記憶は途切れた。