みすみの花が開くとき

俺と紅葉は雪の居る部屋まで走った。



途中で英兎逹と会った。

頷き合う暇も無く走った。



その後は…─



─前の夜の再現だった。

…俺に矢追の返り血が付いてて…、雪をビビらせたところまでな。


…その後は…、すぐに帰って─

雪をカウンセラーに会わせて─

入院させて…。

そうなるまで、あっという間だったな。



それからしばらくは俺とか聡兄ぃとかでも恐がってたな。

ウサなんて、女装してまで会いに行って…。

しばらくバレなかったから不思議だったんだが。



あ。雪のヘアピン、お前、持ってんだろ?

あれ、その頃に俺と聡兄ぃと英兎が考えて贈ったんだ。

直接渡したのは聡兄ぃだけど。

あの花な、《忍耐》って花言葉なんだよ。

まぁ、俺達からのメッセージだ。