みすみの花が開くとき

次の日の朝、俺は早くに目が覚めた。



雪の様子を見に行った。



雪は紅葉と閑に挟まれて寝てた。

ホント、雪ってかわいいよな。再確認した。



…矢追なんかに汚されていいワケ無ぇと思った。



部屋を出て、顔を洗った。

今度、矢追のヤツが雪に手ぇ出したら、殺してやる、とか考えながらな。



その後は、別荘の周りを軽く散歩した。落ち着きたかった。



しばらく歩いてたら、紅葉が来た。


『柾さん。おはようございます』

『おぅ。おはよ』

『雪さんが目を覚ましました。来てください』


紅葉は背を向けた。


『閑は?』

『聡龍さんと英兎さんを呼びに行きました』


《聡龍さん》っていうのは、聡兄ぃのことな。


『…じゃあ、今、誰が雪についてる?』


紅葉は舌打ちして、足を速めた。