みすみの花が開くとき

話し声のする扉を開ける。

刹那、話し声が止む。





部屋には、雪・英兎・柾・義成・都・その他、女性が二人─





僕を入れて、八人だな。

二人っきりだと思ってたのになぁ。

大所帯だ。





「やぁ、誠。遅いぞぅ」

「英兎。それより、この人数は…?」

「あぁ…。紅葉ちゃんと閑ちゃんは、はじめましてだねぇ?」

「あ、どうも」


言われて、頭を下げる。


紅葉ちゃんと閑ちゃん…。

確か、雪の幼なじみだっけ。


「…で、この人数は?」


英兎はくすくすと笑っている。





「…むふ。お祝いだよ」

「は?」


何の?





「雪お姉ちゃんと誠がくっついたお祝いだよっ!」





続けざまにクラッカーが弾かれる。





…二人っきりじゃないけど、今日はいいか。


「おめでとう」


英兎はにこにこと笑っていた。