みすみの花が開くとき

さて。


奥を覗く。





「…玉兎さん」

「なんだい?」

「…紅茶を、淹れさせていただけませんか?」

「…注文は入ってないよ」

「いえ、個人的にッス。お願いします!」





玉兎が顔を出す。





「店内ではあんまり大声出さないでくれるかな?」

「…っ。

すみません…」

「…いいよ。淹れなよ。あ、八人分くらい淹れた方がいいと思うよ」


八人分…?


「ありがとうございます!」


あ。しまった。


玉兎は溜息をついた。