みすみの花が開くとき

《Lievre》の裏手に有る広大な公園。





面積での比較をすれば、《Lievre》の方を裏手と表現するべきなのだが。





紙袋を下げて、ベンチに腰かける。

裏手には《Lievre》は無い。

紙袋には、三つのぬいぐるみ。

誠の手には、ヘアピン。


「ここでよかったの?」

「うん…。映画館とかは、紙袋が邪魔になっちゃうし…」

「ごめん」

「…謝らないで。あたしが頼んだんだから…。

…ありがとう…」


雪は屈託無く笑った。





諭吉先生でも、惜しくは無かったかな。