みすみの花が開くとき

とりあえず、ゲーセン。


時間が早いせいか、人は他に居なかった。


雪は入院生活が長かったせいだろうか、しきりに周りを見回していた。


「何か、したいの有る?」

「…もったいなくない?」

「え?」

「なにも…、残らないじゃない?」

「快感を買ったと思えば?」

「やらしい響き…」

「そう?」

「…とにかく、もったいないよ」

「じゃあ、UFOキャッチャーとか?」


雪はガラスケースを覗いた。