みすみの花が開くとき

「玉兎さんは、知ってたんスか?」

「いや。そんな事が有った事も知らなかったよ」


英兎が、全部一人で、走り回ったのか。

…言ってくれれば…。

いや、柾にさえ言わなかったんだし、僕には言わないかな…。

親友気取りだったけど。

こっちが頼れば、むこうも頼ってくれたのかな…。





「そういえば、近衛君。学校はどうしたんだい?

なんで、ここに居たのかな?」


あ、そうだ。雪が帰って来る。


「玉兎さん。あのベンチ、使っていいッスか?」

「いいけどね。巧くサボりなよ」

「はいッス。ありがとうございます」


玉兎は店に戻った。





雪、なんなんだろうな?