気付いた時には…─
僕が柾に…─
英兎が佐橋に…─
玉兎さんが僕になっていた…─
英兎は鼻血を出していた。
玉兎に羽交い締めにされる。
英兎が崩れ落ちた。
「近衛君!落ち着きなさい!何が有ったんだい?」
「玉兎さん!放して下さい!」
「落ち着きなさいと言っている!こんな事をして、何になるって言うんだい?」
「…英兎はっ…、雪を!」
「英兎が雪ちゃんを…?」
「…許さないっ…!」
「近衛君!」
「許さない…!」
頬に衝撃。
玉兎の平手打ちが入ったらしい。
「…こんな事をしても、雪ちゃんのためにはならないと思うよ」
刺さる、言葉。
かつて親友に刺した、言葉。
力が抜ける。
…僕は…。
…僕は…。



