みすみの花が開くとき

それからは、部活が終わった後で《Lievre》を手伝いに行くようになった。





玉兎は、客の少ない時間帯に紅茶のいれ方を教える事を忘れなかった。

常連客は、二人のレッスンを見守って居た。





Lievre。





扉が開く。


「近衛君。頑張ってる?」

「あ、凜さん。いらっしゃいませ」


凜は、常連客の一人だ。


「どう?少しは上手くなった?」

「いえ、まだまだで…」


言葉を濁す。

顔を背ける。


…凜さんの顔、雪と似てるんだよな。

声も、雪の次ぐらいにキレイだし…。

でも、雰囲気も体つきも大人っぽくて…。

雪が成長したら、こんな感じかなって感じ。

いや、雪も年上だけど。