みすみの花が開くとき

「誠。…大?」

「ちょっとね」


店を出る。

空の色は変わっていた。


「次は…、あたしのお菓子を楽しみにしててね!」

「うん!すごい楽しみにしてる!」


それまでには…、紅茶のいれ方、覚えないとな。


「…じゃあねっ!」

「送るよ」

「…誠の家、あたしと反対の方じゃん」

「行っちゃ、駄目?」

「…駄目…」

「…そう」





空を見上げる。

月は雲に隠れていた。