みすみの花が開くとき

「…もう一度…、言おうか?」

「僕も…じゃなくて、僕…が?」


白い花が揺れる。


「よくできました」

「…嘘だ」


雪は溜息をついた。


「…人の言葉を《信じる》と書くよね」


…花月さんの言葉だ。なおさら、信じたい。

でも、思ってしまう。





『どうせ、花月さんもでしょ?』と。





雪は悩ましげに眉を歪めた。


「…あたしには信じろとか言っておいて…、近衛くんは…、あたしを信じてくれないの…?」





真ん中に、衝撃。





そうだ、僕は、何を…。


「信じる」


雪は穏やかに笑った。


「よくできました」