「てめぇ… 調子乗ってんじゃねぇ!!!」 ーーーーそう言って 殴りかかった男たちが 「くそ…っ!」と バイクで去って行ったのは ……ほんの数分後だった 目の前の彼が パンパンっと手を払って ゆっくりと振り返る その綺麗な瞳と 視線が交わると同時に あたしの視界はまた 落ち着く洗剤の香りの 彼のジャージに覆われていた 「………遅くなってごめん」