「お嬢様、どうなさいましたか⁉︎」
「っ、珠羅ぁああぁっ」
私は私の部屋で荷造りをしていた珠羅に抱きついた。
「ッおっと、」
そんな私を珠羅は抱きとめてくれた。私は珠羅の背中に回す腕に力を込めた。
「…不安だよ……」
普段は弱音なんて吐かない。
お父さんやお母さん、他の人には一度も言ったことがない。
でも珠羅には今まで何回か弱音を吐いたことがある。その度にこうやって、
「お嬢様なら、どこへ行っても大丈夫ですよ。さすがに男子校は不安だと思いますが、何かあったらすぐに私が駆けつけますから」
優しい笑顔で頭を撫でながら励ましてくれる。
珠羅が居るってだけで、私は安心できる。
