「私何かした?ごめん…」
「違っ……悪い。そうじゃねーわ」
下を向いて頭をかく
何て話しかけていーかも分からず
そんな佳を見つめるだけで
静かな公園の前に二人で立ち止まる
「さっきは悪かった、浜寺の事とか」
「あ、いや…私も殴ろうとしたし
おあいこだよ」
「………浜寺の事好きなのか」
「え!あ、う……うん」
何いきなり聞いてんのー!
わーわー、恥ずかしっ
「最近仲良いじゃん、
付き合ってんの?」
「そんなまさか!私の片想いだよ
多分、ずっと振り向いて貰えない…」
先生と恋だけでも
難しいのにその上不倫なんて
よっぽど強い想いなんだから
私何かが勝てるわけない…
「長期戦だよ…笑」
「お前に追っかけられて落ちない男は
俺くらいだからな…大丈夫」
そう言って私の頭を撫でてくれた
佳のあったかい懐かしい手…
また昔みたいに話せる
嬉しくて嬉しくて思わず笑顔になる
「何よ、それー!笑
まあ幼馴染みだしね笑」
「おう!……俺用事あっから
家帰んねーわ、じゃ」
「え、そっか…じゃね!」
後ろ向いた佳が何故か
泣いてる気がして
それでも私は佳に背を向けた
今は声を、
かけちゃいけない気がし
「…追いかけられなくても
惚れてるっつーの…」
本当に小さく呟いた佳の声が
……聞こえてしまったから

