恋も試合も全力で！

「手当て…しようか？」

「え？」


勢いで、なぜか言ってしまった。

裄と向かい合わせに座る。

やっぱり、気まずい。


「指、出して」

「ん」


赤く腫れた人差し指を出す裄。

その人差し指に丁寧に包帯を巻いていく。

裄の温かい手が、あたしの鼓動を速くする。

ドキドキが止まらないよ。

やっぱり…好きだよ。


「できた」

「ん、ありがと」


そのまま黙り込むあたしたち。

このままじゃ良くないのは分かってるの。

だけど、何も言えなくて。