「綾子」 あたしは綾子に駆け寄った。 「あたし、次は頑張って決めるから」 そう言うと、綾子は笑顔で頷いた。 「うん。頼んだよ」 あたしは綾子から離れ、構えた。 16ー18だから、レシーバーは綾子。 あたしは後ろで心を落ち着かせる。 大丈夫。絶対できる。 後ろには、裄くんがいる。 だから大丈夫。 相手がサーブをした。 それを返す綾子。 低めのラリーが続いて、やっとあがったチャンスボール。