「裄くん?」 コートに下りている時、あたしは裄くんに声をかけた。 「なんでいきなり線審に下りてくれたの?」 「ん? あー…大事な試合だから近くで見たくてさ」 なんだか嬉しくて。 それだけで頑張れる気がするのに、更に裄くんは嬉しい一言を言ってくれる。 「なんかあった時は、俺の方見てな?」 そう言って、あたしの頭をポンポンっと撫でた。 裄くんの優しさに、胸がキューンとなる。 裄くんのために、勝とう。 優勝することが、裄くんへのお礼になるから。