卒業式の日がきた。 みんなで振袖を着て。 最後の大学生活。 笑顔で、たくさん写真を撮った。 離れても、忘れないように。 あたしたちの友情が、残るように。 「浅海、今までありがとね」 綾子が、あたしの元に来て言った。 その目は、少し涙ぐんでた。 「こちらこそ、ありがとう綾子」 あたしも少し涙ぐんで、綾子に返した。 「東京行っても頑張ってね。 裄と仲良くね」 「うん。 綾子も頑張ってね。国家試験も」 綾子は、1週間後に管理栄養士の国家試験を控えてる。 これに受からなかったら、また1年後。