「もし、槇が迎えに行った時、綾子に別に好きな人がいたら、どうするの?」


それだけが、あたしには気がかりだった。


離れてる間綾子に、もしくは槇に、他に好きな人ができたら。


「そん時はそん時だよ。
ちょっとクサいけどさ、俺と綾子が運命の相手じゃなかったってだけ。
俺は本当の、運命の相手を探すだけだよ」


槇はそう言ったけれど、綾子と槇は運命の相手だよ。

あたしはそう思う。


「俺らのことよりさ、裄と浅海。
お前らこそ、東京行ってから別れんじゃねーぞ。
俺は二人の結婚式で、スピーチするって決めてんだから」


槇は、冗談ぽく、笑いながら言った。


大丈夫だよ、槇。

あたしたちは壊れたりしない。

絶対に。