「浅海、ありがと」

「ううん」


裄。

あたしずっと、裄の隣にいるよ。

一生、一緒に生きていくよ。


「やっぱお前らは、一緒にいる方がいいわ」


そう言う声が聞こえて、槇の方を見ると、

槇も笑ってた。


「浅海、綾子から聞いた?」


槇に聞かれ、あたしは頷いた。


「俺さ、自分から言ったんだよね。
“ついてこなくていい”って」


そう、槇は悲しく笑った。


「裄と違ってさ、俺は常に余裕なんて無くてさ。多分連れていっても、綾子を傷付けるだけだから」

「槇はそれでいいの?」

「正直、ちょっと後悔してる。
綾子のこと、超好きだし、ほんとは離したくもないけど。
でもさ、俺は綾子を信じてるから」


そう言う槇は、綾子と一緒でもう迷ってなかった。