それからあたしは、裄の家へと向かった。

インターホンを押すと、裄のお母さんが出てきた。

中へと入れてもらって、裄の部屋へ行くと、そこには槇がいて。


「あれ、浅海?」


びっくりする裄と、少し目が赤い槇。

きっと槇は、裄に全部話したんだね。

それで、泣いたんだ。


「裄。あたし、裄についてく」

「え?」


裄の隣に腰を下ろして、言った。


「勝手だなんて、言ってごめん。
あたし裄のこと、何も考えてなかった」


裄は、びっくりしたように、あたしを見つめてた。


「あたしは、裄が大好きだから。だから、ずっと一緒にいる。
一緒に東京行くよ」


そう言って笑うと、裄も笑ってくれた。