恋も試合も全力で!



「ぅっ…ぅぅ………」


涙が、止まらない。


裄、裄、裄っ…

ごめんなさい…


裄だって、いっぱい悩んでたのに。

悩んで悩んで、決めたことなのに。


あたし、最低だよ…

“勝手”だなんて…


裄は勝手なんかじゃない。

ちゃんと考えてくれてたのに。


「姉ちゃんは、今どうしたい?」


あたしが、今どうしたいか。

そんなの、決まってる。


「裄のそばにいたいっ……ずっと、裄の隣にいたいよ………」


裄と、一緒にいたい。

裄と離れるなんて、できないよ…


「じゃあ俺とは、離れ離れだな」

「遼…多……」


遼多は、あたしを見てフッと笑った。