木曜日の2限。
保育の専門の授業を終え、裄たちの待つ食堂へ走ろうとしていた時。
「梨元ー」
さっきの授業担当だった、和田先生に呼び止められた。
予感はしてたけど、逃げる気満々だったあたしは、
渋々和田先生の元へと向かった。
「お前はー、まだ決まんないのか」
「いやー、えっとぉ……」
あはは、と誤魔化すあたし。
「みんなはもう動いてるんだぞ。そんなんじゃあ、他の大学のやつに負けるぞ」
先生、それもう聞き飽きました。
そう言いたくなるほど、同じことを言われてる。
あたしが悪いのは、分かってるんだけど。

