裄の胸に顔を埋めると、優しく腕の中へと包まれた。

裄の腕の中が、あたしは大好き。


「浅海」


裄の声がして、閉じていた目を開けた。

暗闇の中で、うっすらと裄の顔が見えた。


「俺とさ、ずっとずっと、一緒にいてくれる?」


いつもと違って、弱々しい裄の声。


こんなこと聞かなくたって、あたしはずっと隣にいるのに。


「当たり前じゃん」


そう言うと、裄は安心したように笑った。

そして、腕の力も強くなった。


「俺も、ずっと浅海といるから。絶対に離したりしないから」


裄の声に、あたしは少し泣きそうになった。


あたしは、この人が大好きです。


神様。

もしも存在するならば、あたしと裄を離さないで下さい。