「じゃあ裄と一緒に打っていけばいい。
加藤!」
「あっ、はい!」
コーチの声に、遠くで子供と話していた女の人が、素早く駆け寄ってきた。
その人は、どうやら加藤さんというらしい。
「この子に、練習着からラケットまで一式貸してやってくれ」
「あっ、はいっ、分かりました。
えっと、何ちゃん? あたし、加藤麻美(かとうあさみ)です」
「えっと、あたしもあさみです! 梨元浅海!」
「ほんとにー? よろしくね、浅海ちゃん」
加藤さんとの共通点にびっくりしていると、
裄がじっと加藤さんを見つめているのが分かった。

