顔をあげると、嬉しそうなコーチの笑顔があった。
「裄ももう、彼女とかできる歳なんだな。付き合ってどれぐらいだ?」
「えっと、5年ですかね」
「5年!? へぇー」
びっくりした顔になるコーチ。
けれど、あたしを見るとすぐに微笑んだ。
「仲良くやれよ」
「はい」
コーチの言葉に、裄は嬉しそうに微笑み返した。
体育館の中を見渡すと、どうやら練習が一段落したようだった。
一番大きな男の子が、コーチにかけよってきた。
「コーチ、終わったので休憩に入ってもいいですか?」
「ああ、10分な」
その男の子は、小学校高学年ぐらいなのに、言葉遣いがきちんとしていた。

