「引っ越して以来、一度も来てなかったけど。俺、この町大好きなんだ」
そう言う裄の顔は、すごく優しかった。
本当に大好きなんだなって、そう思ったんだ。
「いい町だよね。
海があって、自然もいっぱいで。
きっと、人も温かいんだろうな」
こんなに優しい裄が育った場所だもん。
いい人ばかりな気がする。
なんて、彼氏バカもいいとこかな?
「浅海なら、そう言ってくれると思った」
裄は、嬉しそうに呟いた。
なんだか、見透かされてるみたいで少し恥ずかしかったけど、
そう言ってもらえたことが、あたしも嬉しかった。

