「浅海が海大好きだから、 だからここ連れてきたんだよ?」 そう言って微笑む裄が、なんだか輝いて見えた気がした。 胸がきゅーっと締め付けられる。 「裄大好き~!」 泣きそうな声を出して裄にしがみつくと、 「それも知ってる」 笑いながら頭を撫でてくれた。 あたしのことを考えてくれてる裄が、 あたしの言葉に笑ってくれる裄が、 あたしは大好きなんだ。 裄の手を強く握ると、裄も握り返してくれた。 そして、ゆっくりと口を開いた。 「俺な、小5の夏までこの町にいたんだ」