3時間ほど電車に乗って、目的地に着いた。


「ここ?」

「うん。ちょっと歩いたらホテルに着くから」


降りた駅から見える景色の中に、大きな海があった。


「泳ぐにはまだ早すぎるけど、こういう時に来る海もいいよな」


あたしの手を握る裄が、そっと呟いた。

あたしはそれに答えるように、大きく頷いた。


ホテルに着くと、チェックインを済ませて部屋へと入る。

部屋の中には小さなテーブルと、ベッドが2つあった。


決して広いとは言えなかったけど、お風呂もトイレも付いていて、いい部屋だった。