「浅海。楽しんでやろうね」 「うん」 握手を済ませたあと、綾子は言った。 まだこの試合は余裕で勝てる。 上へ進むためのウォーミングアップみたいなもの。 「いっぽーんっ!」 応援の声が聞こえる。 スマッシュを打てば、すぐに決まるような相手。 あたしの得意のネット際のプレーも積極的に使えた。 「ナイスファイト」 余裕でストレート勝ちだった。 スコアにサインを書いて、上へとあがる。 他の部員達が声をかけてくれた。