『ちょっと呼んでみただけじゃん』 なんて言って、拗ねる裄。 なんだか可愛くて、あたしは微笑んだ。 「それで、なんですか、裄くん?」 「あ、気持ち悪いわ」 「ちょっと、何それー!」 怒るあたしに、笑う裄。 こんな些細なことが、すごく幸せだ。 「明日、暇?」 「明日?」 明日は土曜日。 学校は休み。 予定もない。 「暇ですけど?」 「デートしよ、デート」 楽しそうに言う裄。 「いいけど…」 「あ、なんか乗り気じゃなくねー?」 「そ、そんなことないけど」