裄に聞かれて、言いにくそうに口を開くあたし。


「図書館で暇つぶしてたら、気付いたら寝ちゃってたー、みたいな?」


ははは、と笑ってみるも、裄の顔は更に険しくなるばかり。


裄が近付いてきたかと思うと、

次の瞬間
あたしのおでこを裄の指が跳ねた。


「あたっ」

「浅海、何歳?」


痛さにおでこを押さえるあたしに、未だ険しい顔の裄が尋ねる。


「に、21です…」

「あと半年もしないうちに22だよな?」

「はい…」


いつの間にか、説教ぽくなってる。

あたしはおでこを押さえたまま、怒る裄を泣きそうな顔で見つめる。