図書館で暇つぶしに本を読んでいると。


…気付けば夢の中だった。

ハッとなって体を起こす。


空はもう、光を落としていた。


「や、やばいっ!!」


あたしは図書館を飛び出した。

時刻はもうすぐ6時を指すところ。


5限は5時40分までだから、完璧遅刻だ。


教育学部棟まで全力で走ると、壁にもたれる裄を見つけた。


「裄っ! ごめん!!」


裄に向かって、必死に叫ぶ。

あたしに気付いた裄は、少しムッとした顔をしてる。


「浅海、遅すぎ」

「ご、ごめっ…」

「こんな時間まで何してたわけ?」