和田先生は、あたしたち児童教育科の担任。

保育士になるための勉強を、主に教えてる。


保育の授業以外、受け持っていないはずなのに、
裄に何の用事なんだろう?

考えてみたけれど、何も検討はつかなかった。


まっ、いっか。

あとで裄に教えてもらえばいいし。


あたしはとりあえず、裄を待つ間の暇つぶしに、

図書館へと向かった。

静かで人も少なくて、お気に入りの場所だった。


重くなっていた足取りは、少し軽くなってて。

裄と帰ることに、胸を踊らせていた。


この時のあたしは、先のことなんて、

何も考えてなかったんだ。