あたしは、この部屋に来た時とは違う重い足取りで、部屋を出ようとした。 「あ、梨元」 「…はい?」 が、和田先生に呼ばれ、足を止めた。 「教育学部の笠原は、お前の彼氏だよな?」 「あぁ、はい…」 なんでそんなこと知ってるんですか? あたしは口には出さずに、変わりにそっけない返事をした。 「いつでもいいから、俺のところに来るように言っといて」 「はい、分かりました」 適当に返事をして、軽く会釈をし、部屋を出た。