「いいから! これは裄さんと仁の問題だから! みんなは部屋に戻ってて!」 遼多の叫び声が、部屋中に響いた。 その声を聞いて、戻っていく真柴と両親。 けれど、浅海はその場から動かなかった。 「姉ちゃん!? 部屋戻ってろって言っただろ!?」 遼多が浅海に向かって叫んだ。 だけど浅海は。 「戻らないよ」 「姉ちゃん!?」 「裄と仁が揉めてるのは、あたしのことでしょ? じゃあ、裄と仁だけの問題じゃないよ!」