「どういうことだよ」 俺は起き上がって、桑原を見た。 寝転んだままの桑原を、睨みつけるように。 「そのまんまっすよ。好きじゃないから、好きじゃないって言っただけっす」 「はぁ? じゃあなんで浅海にキスしたんだよ」 こいつは、浅海にキスしたあと、 “好きだからキスした” って言った。 なのに、好きじゃないと言う。 俺の怒りは、結構なところまできてて。 桑原は口元を引き上げて、言った。