ほんとは見たいくせに。 あたしと綾子は、同じ南高校の集まるスペースへと行った。 ちょうど試合が始まろうとしている時だった。 「いっぽーん!」 「集中、集中っ!」 いろんな声が飛び交う。 一気に賑やかになった。 あたしも二人に向かって叫んだ。 「裄くん、槇くん、ファイトー!!」 その時、 裄くんが一瞬だけ上を向いて目が合った。 あたしに向かって笑いかけてくれた。 頑張れ、裄くん。