「ぜーったいに、嫌だ!!!」 「あたしだってやだよー!!!」 部活終了後、 伸びてしまいそうなほどに俺の服を引っ張るのは、 嫌嫌とだだをこねる浅海。 帰ろうとした俺に呟いた言葉は、 『泊まりにきて』 語尾にハートが付きそうなほど可愛く、 更に首を傾げながら浅海が言うもんだから、 思わず『うん』と言いそうになった。 けれどよく考えれば、 今晩ずっと桑原が同じ屋根の下にいるってわけだ。 そんなの嫌に決まってる。