「言っとくけど、俺は笠原先輩とか知らないから。浅海ちゃんを絶対に奪う」
そう言うと桑原は、フッと笑って去っていった。
俺と浅海だけが、そこに残る。
「浅、海…」
「裄…」
不安そうな、浅海の顔。
次第に目には涙が溜まり、一気に溢れ出す。
「裄っ…ごめん……」
「ちょっ、なんで浅海が謝んの?」
「だってあたし…裄以外の人とキスした……」
「それはあいつが無理矢理したんだろっ。俺、気にしないから」
そう言って、優しく浅海を引き寄せた。
メニュー
メニュー
この作品の感想を3つまで選択できます。
設定されていません
読み込み中…