恋も試合も全力で!



槇くんも少しイライラしてる。

槇くんって結構表情に出るから分かるんだよね。


「あのなぁー…」

「まぁまぁ、槇、早くアップ行こうぜっ」


喧嘩しそうな二人を止めるように、裄くんは槇くんをつれてアップにいった。


「綾子~。なんであんな言い方したの? 槇くん分かんなくて当たり前だよ」


こんなこと、綾子だって分かってるはず。


「だって……なんか悔しかったんだもん。喜びを1番に伝えるのがあたしじゃなかったのが」


なんだか綾子が、可愛く見えた。

なんだかんだ言って綾子は、槇くんのことが大好きなんだもん。