あたしは、見てしまった。 綾子の言葉のあと、悲しそうな顔をした裄くんを。 裄くんはやっぱり、綾子のことが好きなんだ… あたしは泣きそうになった。 「裄ー。そろそろアップ行こうぜ。 ……って、何で睨んでんの? 綾子」 綾子の表情を見て問いかける槇くん。 綾子はふいっとそっぽを向いた。 「自分の心にでも聞いてみればっ」 綾子の態度に首を傾げる槇くん。 分かるわけないよね、今ので。 「なんで怒ってんの?」 「知らなーい」 「知らないってお前………」