もうこうなったら…


「梨元っ」


梨元とか呼んだの、めちゃくちゃ久しぶりなんだけど。

高二以来じゃね?

そんなことはいいとして。


やっと足を止めた浅海。

振り返った浅海の顔は、なぜか膨れ顔。


「…梨元って呼ぶのやだ」


小さく呟いた浅海。

なに?
そんなことで拗ねてたの?


やべー…
めっちゃ可愛いんだけどっ!!


「浅海ー!」


俺は後ろから浅海に抱きついた。


「きゃっ! 裄っ! 離れてっ!」


赤くなって抵抗する浅海。

残念だけど、離してやんねーし。