けれど、笑いながら言った浅海の言葉に、

かっこ悪い自分しか出せなくなった。


「かっこ良かったけどね、あたしが1番かっこ良いって思うのは、裄だよ?」


笑顔でそんなこと言われて、

ドキドキしねぇわけねぇだろ‥


「‥反則」


俺は小さく呟いて、浅海を抱きしめた。


「きゃっ。裄、ここ大学っ‥」

「分かってるし。けど今は無理。離れらんねぇ」


可愛すぎなんだよ‥

狙ってんの?

‥そんなわけねーか。


赤くなりながら、腕を回す浅海。

そんな浅海を、きつく抱きしめた。


もうぜってー離してやんねぇ。

嫌だって言っても、離さねぇから。

覚悟しとけよ?


《END》